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小川洋子さんの新刊本


■ 最果てアーケード    講談社    (2012年6月)
■ みんなの図書室    PHP研究所 (2011年12月)
■ 小川洋子の「言葉の標本」   文芸春秋  (20011年9月)
■ 人質の朗読会    中央公論新社 (2011年2月)
■ 妄想気分    集英社 (2011年1月)
■ 小川洋子対話集 文庫版 幻冬舎(2010年8月)

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著者  : 小川洋子
      岡部恒治
      菅原邦雄
      宇野勝博

出版社: 東京図書 
サイズ  : 単行本
ページ数  : 137p
発行年  : 2006年
価格     : 1575円

   
 【わたしの感想文】

博士の愛した数式」に関連する「世にも美しい数学入門」に続く第2弾の文学と数学の接点を語る単行本である。これはエッセイでなく、小川洋子さんと3人の数学者の対談集である。文学と数学に興味ある人にとって対談が深い所まで、切り込んでおり、知的好奇心を掻き立てる優れた作品と言えると思います。

本の中には「数学ノート」、例えば、「永遠の数を求めて思索の森に」というような参考項目が書かれており、普通の人にも理解できる数学の美しさと魅惑が書かれています。ただ、これを全部理解するには高校数学程度の数学力が必要のような気がします。私は半分も理解できませんでしたが。

この対談で、私が最も良かったと思うのは、やはり、作家小川洋子がどんな気持ちで小説に取り組んでいるかが少し分かりかけたということです。
小説をどのような結末として終わるかについて小川さんは「小説は強固な輪郭を持たない、もってはいけないもの。読者のほうを小説の形で引き寄せるのでなく、どんな形の心にもしなやかに寄り添えるのが本当な小説です。ある意味、あいまいでなければいけない。」と語っています。
また、菅原邦雄教授の「小説家はどの程度読者を意識すんですか?」の質問に対して、「私の場合は、あまり、読者のためという奉仕の精神はないんです。大事なのは、読者のためという奉仕精神でなく、どんな読者の心にも寄り添えるしなやかさではないか、と思います」と語っているのが印象的です。
 【内容情報】(「BOOK」データベースより)
小川洋子と3人の数学者が文学と数学の接点をさぐる。

【目次】(「BOOK」データベースより)

数学を明るく書いてくれてありがとう/小説の終わり
と数学の終わり/数学語は理解できない/数学の
力は偉大だ/理系と文系はあんがい似た者同士/
小説のひらめきと数学のひらめき/数と言葉はやは
りちがうもの/ストーリーを追いかける作家、証明を
追いかける数学者/“感動の表現”はこうして生まれ
た/80の必然性と28の偶然性/女性数学者がん
ばる/小説のモデルは/ネクタイを締めない数学者

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プロフィール
HN:
つぶやき博士
性別:
男性
自己紹介:
何気なく本屋で手に取った本が「博士の愛した式」。以来小川作品の虜になる。小川ファンの9割は女性と思いますが、私はオトコ、しかも70才近くのおじいさんです。
みんなに嫌われる数学はわりと好きな理工系ですが、小説であれ、数学であれ、美しいモノには惹かれる今日この頃です。
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