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小川洋子さんの新刊本


■ 最果てアーケード    講談社    (2012年6月)
■ みんなの図書室    PHP研究所 (2011年12月)
■ 小川洋子の「言葉の標本」   文芸春秋  (20011年9月)
■ 人質の朗読会    中央公論新社 (2011年2月)
■ 妄想気分    集英社 (2011年1月)
■ 小川洋子対話集 文庫版 幻冬舎(2010年8月)

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    沈黙博物館

  
 
著者  : 小川洋子
出版社  : 筑摩書房 
サイズ  : 文庫
ページ数  : 376p
発行年  : 2004年
価格     : 714円

   
 【わたしの感想文】

博物館を設計、建設する技師である「僕」が主人公。オーナーである口の悪い老婆、懸命に尽くす養女である少女、腕の良い庭師を中心に、普通の読者にとっては、不気味な博物館を作る物語である。
はっきり言って、小川洋子ファンでなければ読まない小説と思う。一気に読む小説ではないし、少しずつ読まないと疲れてしまう長編小説である。小説のスタイルと展開は「貴婦人の蘇生」と似通ったところがあって、懲りに凝ったこだわりのモノがふんだんにでてくる。
博物館と言えば、常識的にはその展示物を観、その美しさ、凄さを愉しみ、精々そのいわれとかを知りたいと思う位である。しかし、小川洋子の視点は博物館という見える世界から逸脱して、博物館の別の見えない世界を描こうとしていると思えます。

博物館では、普通、展示に一番力をいれるが、この博物館では展示に至る「収集」をポイントとしている。
その収集に当たっては、死者の遺品収集に異常なまでのこだわりがあり、泥棒まがいのやり方も辞さない。
この異常さ、不気味さを描くのが小川洋子さんの別の
側面であるが、これを好んで読みたいという読者に
とっては小川作品の中でも最高作品となっている
かも知れない。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)

  耳縮小手術専用メス、シロイワバイソンの毛皮、切り取られた乳首……「私が求めたのは、その肉体が間違いなく存在しておったという証拠を、最も生々しく、最も忠実に記憶する品なのだ」――老婆に雇われ村を訪れた若い博物館技師が死者たちの形見を盗み集める。形見たちが語る物語とは? 村で頻発する殺人事件の犯人は? 記憶の奥深くに語りかける忘れられない物語。

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プロフィール
HN:
つぶやき博士
性別:
男性
自己紹介:
何気なく本屋で手に取った本が「博士の愛した式」。以来小川作品の虜になる。小川ファンの9割は女性と思いますが、私はオトコ、しかも70才近くのおじいさんです。
みんなに嫌われる数学はわりと好きな理工系ですが、小説であれ、数学であれ、美しいモノには惹かれる今日この頃です。
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