6
小川洋子さんの新刊本
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
おとぎ話の忘れ物
価格 : 1785円
|
【わたしの感想文】 変わり者の祖父が世界中から集めた忘れ物のおとぎ話。これらのおとぎ話が読める「忘れ物図書室」、斬新で、現実にはありそうもない卓抜な設定はいかにも小川洋子、面目躍如といったところでしょう。 「アンジェリーナ」が佐野元春の詩から、これは樋上公実子の絵からイメージしたと思われる短編です。樋上公実子の挿絵、少女の絵は実に、幻想的で、かつ、なまめかしく、人前で本を開くのが恥ずかしくなりましたので、こっそり、一人で読みました。物語は短編ではなく、おとぎ話が4篇でてきます。「ずきん倶楽部」、「アリスという名前」、「人魚宝石職人の一生」、そして「愛されすぎた白鳥」です。 おとぎ話、または、童話といった作品ですが、小川さんの手にかかると、どの童話も、いとおしく、残酷で、怖い話になっています。例えば、「愛されすぎた白鳥」では、森の番人が湖に住んでいる白鳥の美しい姿を見て、こよなく好きになってしまいます。好きになり過ぎて、自分が白鳥にしてやれることは何かと迷っていたが、やがて、一番大事にしているキャンデーをあげることになった。ところが、愛しすぎ、キャンデーをやりすぎたため、残酷な幕切れとなります。どう残酷かは、ここでは伏せておきます。 美しい、残酷、怖い、グロテスク、悲しいといった言葉を全く使われていないのですが、物語として読んだ時、こんな感情がなぜか”じーん”と沸き起こってくるのが憎いほどです。 |
||||||||||
|
ホームに戻る |
PR
この記事にコメントする
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
つぶやき博士
性別:
男性
自己紹介:
何気なく本屋で手に取った本が「博士の愛した式」。以来小川作品の虜になる。小川ファンの9割は女性と思いますが、私はオトコ、しかも70才近くのおじいさんです。
みんなに嫌われる数学はわりと好きな理工系ですが、小説であれ、数学であれ、美しいモノには惹かれる今日この頃です。
みんなに嫌われる数学はわりと好きな理工系ですが、小説であれ、数学であれ、美しいモノには惹かれる今日この頃です。
東販今週のベストセラー
P R