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小川洋子さんの新刊本


■ 最果てアーケード    講談社    (2012年6月)
■ みんなの図書室    PHP研究所 (2011年12月)
■ 小川洋子の「言葉の標本」   文芸春秋  (20011年9月)
■ 人質の朗読会    中央公論新社 (2011年2月)
■ 妄想気分    集英社 (2011年1月)
■ 小川洋子対話集 文庫版 幻冬舎(2010年8月)

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    博士の本棚



著者: 小川洋子
出版社: 新潮社
サイズ: 文庫
ページ数: 334p
発行年: 2010年
価格: 500円
わたしの感想文】

タイトルの「博士の本棚」、「博士の愛した数式」関連のエッセイかと思いましたが、まるで違っていました。このタイトルは正直言って、2匹めのドジョウを狙った感じのタイトルで、小川さんらしくないと思います。「密やかな本棚」くらいのタイトルをつけて欲しかったと思います。

この本の中で、一番気に入っていますのは、「爪楊枝職人」と「蝿取り紙」の所です。なんでもない、普通の人は殆ど気ずかないモノを繊細で、独特な受け取り方にハットします。「爪楊枝」は”・・食後にほんのひと時役立つ以外、ほとんど使い道はなく、あっという間に捨てられてしまう、頼りなく細い、先の尖った棒。・・・この爪楊枝をただ、ひたすら、それのみに関わって、その職人芸を磨いて、彫刻芸術までに達して生涯を終える職人。
今は、家庭ですっかり見かけなくなった蝿取り紙。しかし、今でも蝿取り紙を作っている会社が岡山県倉敷にあるカモ井加工紙株式会社。無闇に殺虫剤を振り向けない食品会社などで、現役で働いているそうです。この蝿取り紙にまつわる小川さんの少女時代の思い出の記述は秀逸です。これは、単に懐古趣味の話でなく、蝿取り紙の持つ”ただ、そこに吊り下げられているだけの細長い紙。空気を汚さず、エネルギーも必要としない。究極の簡潔さで、任務を黙々とこなす謙虚さ。・・・”にあるように一種の芸術品の素晴らしさを現代に教えてくれます。

最後に、アンネ・フランクが書いた「わたしの望みは死んでからもなお生き続けること!」で語っている個所。
”「アンネの日記」を読み返す時、この個所に差し掛かるとつい、私は、あなたの望みはかならえたたのよ、とつぶやいてしまう。あなたが足を踏み入れたこともない小さな東の国で、一人の元少女が、何度も日記を開いているのが、何よりの証拠じゃない? そう話しかけている。”
【内容情報】(「BOOK」データベースより)

図書室で夢中になった『秘密の花園』『小公子』、でも本が無い家だったので愛読書はなんと『家庭の医学』だった。13歳で出会った『アンネの日記』に触発されて作家を志す。オースター、ブローティガン、内田百〓(けん)、村上春樹…本への愛情がひしひしと伝わるエッセイ集。思わぬ出会いをたくさんもたらしてくれた『博士の愛した数式』誕生秘話や、愛犬の尻尾にふと白毛を見つけた感慨なども。

【目次】(「BOOK」データベースより)

1 図書室の本棚─子供の本と外国文学(図書室とコッペパン/秘密の花園・小公子・小公女 ほか)/2 博士の本棚─数式と数学の魅力(三角形の内角の和は/完全数を背負う投手 ほか)/3 ちょっと散歩へ─犬と野球と古い家(気が付けば老犬…/わずか十分の辛抱 ほか)/4 書斎の本棚─物語と小説(葬儀の日の台所/アウシュヴィッツからウィーンへ、墨色の旅 ほか) 

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プロフィール
HN:
つぶやき博士
性別:
男性
自己紹介:
何気なく本屋で手に取った本が「博士の愛した式」。以来小川作品の虜になる。小川ファンの9割は女性と思いますが、私はオトコ、しかも70才近くのおじいさんです。
みんなに嫌われる数学はわりと好きな理工系ですが、小説であれ、数学であれ、美しいモノには惹かれる今日この頃です。
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