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小川洋子さんの新刊本


■ 最果てアーケード    講談社    (2012年6月)
■ みんなの図書室    PHP研究所 (2011年12月)
■ 小川洋子の「言葉の標本」   文芸春秋  (20011年9月)
■ 人質の朗読会    中央公論新社 (2011年2月)
■ 妄想気分    集英社 (2011年1月)
■ 小川洋子対話集 文庫版 幻冬舎(2010年8月)

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   妄想気分




  


 
著者: 小川洋子
出版社: 集英社
サイズ: 単行本
ページ数: 187p
発行年: 2011年
価格: 1365円

わたしの感想文】

小川洋子さん、最新第4作目のエッセイ集。
小川洋子ファンにとっては、隅から隅まで読みたいエッセイとなっていますが、題材はいつもの創作にかかわるあれこれ、さりげない日常の出来事と思い出話、出会い、と変わってはいません。今回、個人的に面白かったのは、
1)ご主人のこと
2)自著の裏話が語られた”書かれたもの、書かれなかったもの” でした。

作家としての、そして妻としての小川洋子さんがご主人をどう思っていらっしゃるのか、個人的にはとても興味深かったのですが、今までちらちらとエッセイで読んでいたのでしたが、詳しいところまではわかりませんでした。今回、それこそ”相手を思う気持ちを、形のない気配に変えて”のタイトル通り、かなり心情を語っておられます。ご主人へのその微妙で、絶妙な関係性がなるほどと思ってしまいました。

自著の裏話、処女作”揚羽蝶が壊れる時”から最新の”原稿零枚日記”まで各作ごとに、今まで語られなった裏話、小話が書かれています。その一つ一つが小川病に罹っている私にとって面白かったのですが、一番面白かったのは”ミーナの行進”誕生の話でした。依頼を承知したものの一向に準備が進まない段階で、担当編集者と出くわってしまった小川さん、思わず”おかげさまで、小説の骨格が固まりました”と心にもないことを口走ってしまった顛末が秀逸でした。

 
 
 

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
異界はいつでも日常の中にある。目を凝らし耳を澄ますと入口が見えてくる。そこを覗くと物語がはじまる。創作をめぐるエッセイ集。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 想い出の地から(甲子園球場/武蔵小金井女子学生寮 ほか)/第2章 創作の小部屋(恐る恐る書く/消えた小説 ほか)/第3章 出会いの人、出会いの先に(ローズ・マリーという名前/そこにいてくれる、ありがたさ ほか)/第4章 日々のなかで(一枚の写真/髪 ほか)/第5章 自著へのつぶやき 書かれたもの、書かれなかったもの(揚羽蝶が壊れる時/完璧な病室/冷めない紅茶 ほか)


 

 
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プロフィール
HN:
つぶやき博士
性別:
男性
自己紹介:
何気なく本屋で手に取った本が「博士の愛した式」。以来小川作品の虜になる。小川ファンの9割は女性と思いますが、私はオトコ、しかも70才近くのおじいさんです。
みんなに嫌われる数学はわりと好きな理工系ですが、小説であれ、数学であれ、美しいモノには惹かれる今日この頃です。
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