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小川洋子さんの新刊本


■ 最果てアーケード    講談社    (2012年6月)
■ みんなの図書室    PHP研究所 (2011年12月)
■ 小川洋子の「言葉の標本」   文芸春秋  (20011年9月)
■ 人質の朗読会    中央公論新社 (2011年2月)
■ 妄想気分    集英社 (2011年1月)
■ 小川洋子対話集 文庫版 幻冬舎(2010年8月)

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小川洋子対話集
 
著者: 小川洋子
出版社: 幻冬舎 
サイズ: 単行本
ページ数: 238p
発行年: 2007年
価格: 1470円
わたしの感想文】
対談のお相手は小川洋子さんと気の合う各界9人の方々です。
 〇 田辺聖子(作家)   〇 岸本佐知子(翻訳家)
 〇 李昴(台湾の作家)+藤井省三(文学者)
 〇 ジャクリーヌ・ファン・マールセン(アンネ・フランクの旧友)
 〇 レベッカ・ブラウン(米国の作家)+柴田元幸(翻訳家)
 〇 佐野元春(ミュージシャン)
 〇 江夏豊(元プロ野球選手)
 〇 清水哲男(詩人)   〇 五木寛之(作家)
  •  ・田辺聖子
    田辺聖子さんへのインタビューという形なので、小川色が出ていない。先輩作家への遠慮もあるような印象、田辺聖子愛読者には面白い内容かも知れない。
  •  ・岸本佐知子
    親しい友達同士のホンネの話がいっぱいあってこの本の中で一番面白い。例えば、二人とも塔好きで話が盛り上がる。小川さんは百塔の街プラハまで行って「凍りついた香り」を書いたとか。また、二人とも”心配性”で”1日1イベント主義”。仕事も1イベント、小説を5枚書いた上にエッセイ10枚書いて、さらに銀行に家賃を振り込みに行くなんて生活できませんなど、笑ってしまいます。
  •  ・李昴+藤井省三
    小川洋子「海」と李「海峡を渡る幽霊」の対比が語られています。台湾の政治状況などがあまり分からないので、理解不十分ですが、何となく位の分かったレベルでした。
  •  ・ジャクリーヌ・ファン・マールセン
    「アンネの日記」のアンネの旧友。印象に残ったのは「私にとってアンネは普通の子でした。あとの結果として有名になったということです。」という旧友の言葉でした。
  •  ・レベッカ・ブラウン+柴田元幸
    小川洋子作品で最初に英訳したのが柴田元幸訳「ギブスを売る」というのは初めて知りました。小川さんの作風はレベッカ・ブラウンの作風と非常に共通点があるように感じます。
    「視覚的なディテール、細かい観察という点で小川さんが素晴らしいのは、物が最初は日常的な物として始まってそれがだんだんメタファーに、象徴に、あるいはシンボルになっていくということ。・・・・・・一つの日常の現実の中にコートが一つあって、読んでいくうちにだんだんこのコートは思っていたのとは違うんじゃないかとなって、どんどん象徴的な意味を帯びていく、その広がり方というのが素晴らしいと思います。」と語っているのが印象的でした。
  •  ・佐野元春
    熱烈な佐野元春ファンの雰囲気が伝わってきます。ご両人が大好きな方は必読でしょう。
  •  ・江夏豊
    筋金入りの阪神タイガースファンとして知られてしまった小川さん。「博士の愛した公式」に登場する完全数背番号28の元プロ野球選手江夏豊さんと感激の対面。微笑ましくてミーハー気分が面白いです。
  •  ・清水哲男
    この清水哲男さんとも気が合ってるようで、話はプロ野球から作品論まで話は盛り上がっていました。この中で、
    「”妊娠カレンダー”を書いていた20代半ばの頃は、人間を見つめているとき、毒素みたいなものが自分の中にふつふつとわいてきて、それを抱えながら書いているところがありました。ところが、40歳ぐらいになると、毒素を持った人間としての、相手の全存在を認め合う関係に、心が向くようになりました。たとえ一時的でも、今目の前にいる人間と親愛の情を交わす。・・・」と語っていて、少し納得でした。
  •  ・五木寛之
    最近は小説ではなく、エッセイばかりが目立つ五木寛之さんですが、対談ともなれば、当然”生きるとは、死ぬとは”が主題となっています。二人に接点はあるのですが、微妙に違うところもあって、どちらかと言えば小川さんが聞き役に廻っていて、やや新鮮味に欠ける印象でした。
  
ひっそりと暮らす人々へ・・・・。各界の著名人、11名と小川洋子が、おおいに語らう。
『博士の愛した数式』がベストセラーになった大人気作家の小川洋子による初めての対談集。五木寛之から田辺聖子、江夏豊などバラエティにとんだ各界の名手とじっくり語る。また海外の人気作家などとも語らい、小説の話から、政治経済、宗教論、はたまた伝統の巨人・阪神戦に至るまで様々な話題で盛り上がる。各界の最前線にいる人々だからこそ発する事が出来る、心に残る言葉の詰まった著者渾身の対話集です。

【目次】(「BOOK」データベースより)

田辺聖子―言葉は滅びない/岸本佐知子―妄想と言葉/李昂+藤井省三―言葉の海/ジャクリーヌ・ファン・マールセン―アンネ・フランクと言葉/レベッカ・ブラウン+柴田元幸―言葉を紡いで/佐野元春―言葉をさがして/江夏豊―伝説の背番号「28」と言葉/清水哲男―数学、野球、そして言葉/五木寛之―生きる言葉

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プロフィール
HN:
つぶやき博士
性別:
男性
自己紹介:
何気なく本屋で手に取った本が「博士の愛した式」。以来小川作品の虜になる。小川ファンの9割は女性と思いますが、私はオトコ、しかも70才近くのおじいさんです。
みんなに嫌われる数学はわりと好きな理工系ですが、小説であれ、数学であれ、美しいモノには惹かれる今日この頃です。
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